初詣や受験などの特別なイベント前に神社やお寺を訪れ、お賽銭を納める際、どの硬貨を使用すべきか迷ったことはありませんか？
「とりあえず10円玉で…」や「財布に100円玉があるからそれで良いか」と、その場で即決する方も結構いることでしょう。
お賽銭の由来は複数ありますが、無自覚に納めるよりも、その意味や適した硬貨を知り、心を込めて納めることで気持ちも変わるでしょう。
自分自身、お賽銭は何のために納めるのか、と考えてみることがあります。
周囲の人たちと合わせてお賽銭することが一般的で、10円よりも100円の方がご利益があるのではないかと考えたことはありませんでした。
この記事では、日本に住んでいる方にとって身近な神社やお寺でのお賽銭について、100円玉を使用しても良いのか、適した硬貨について詳しく解説します。
100円玉をお賽銭として使用する際の意味
100円玉をお賽銭として使用する際の意味について考えてみましょう。
普段、神社やお寺を訪れる際には、お賽銭箱があり、そこにお金を納めて願い事や感謝の気持ちを神様に伝えることが一般的ですね。
神社とお寺でお賽銭の意味合いは少し異なります。
「賽」の字には、「神様や仏様への感謝を表すためにお供えをし、恩恵に感謝する」という意味が込められています。
お賽銭を通じて、祈願や感謝の気持ちを表現するだけでなく、「厄払い」や「厄除け」を願うこともあります。
神社とお寺ではお賽銭の意味が異なり、お寺には「お布施」の要素が含まれ、欲望や執着を捨てる修行の一環とされています。
お賽銭はもともと金銭ではなく、海や山の幸、お米などの自然の恵みを神様に感謝するための供物でした。
しかし、時が経つにつれてお米の代わりとして金銭が使われ、神社やお寺にお賽銭箱が設置されるようになりました。
お米を白い紙に包んで神様に捧げる「おひねり」が生まれ、やがて金銭も感謝の手段として使われるようになりました。
お賽銭は感謝の気持ちを伝える手段であり、今でも仏壇や神棚にお米を供える習慣と同様に、金銭を使うことも一貫しています。
お賽銭をすることで、神社やお寺に自分の訪れを知らせる意味もあります。
お賽銭箱の上にある鈴や鐘を鳴らすことで、神様や仏様に自分の存在を知らせるのです。
また、硬貨を箱に投げる行為も感謝や真心を表現する手段とされています。
そして、お賽銭に100円玉を使うことは縁起が良いとされています。
100円玉には「100のご縁がある」という意味が込められており、115円や125円などのアレンジも「良いご縁」や「十二分にご縁」を意味するとされています。
100円玉を使ってお賽銭することで、良い縁を呼び込むという願いが込められているのです。
お賽銭には100円と50円、どちらを使っても違いはない？
100円をお賽銭として使うことが縁起が良いことは分かりましたね。
私は幼い頃、「五重(ごじゅう)に縁がある」ため50円玉をお賽銭として使うことも良いと教わった覚えがあります。
100円以外の硬貨、具体的には50円玉もお賽銭として使用するのに縁起がよいのでしょうか？
100円と同じく、50円玉もお賽銭として使用するのに縁起が良い硬貨です！
「五重に縁があるように」の他に、「10倍のご縁」「十分なご縁」といった意味合いもあります。
お参りの際、その時の財布に入っている硬貨を使うという方も多いでしょう。
「100円だから良い」「50円だから悪い」という金額の違いではなく、大切なのは日頃の感謝の気持ちです。
先ほどもお伝えしたように、お賽銭はもともとお米などの実りに感謝するお供えが由来と言われています。
神社やお寺を訪れてお賽銭をする際には、感謝の気持ちを込めてお納めしましょう！
お賽銭に使用する硬貨は他にも選択肢がある？
お賽銭に使用する硬貨には100円や50円など、縁起が良いものがあるとされています。
これまでに100円玉や50円玉がお賽銭として縁起が良いと紹介してきましたが、他にも選択肢があるのでしょうか？
お札はどうなのでしょうか？
まず、縁起が悪いとされている硬貨は「10円」と「500円」です。
10円は硬貨としてよく使用されるため、お賽銭として納めることもあるかもしれませんが、「遠縁」の意味が込められており、縁起が悪いとされています。
また、500円玉は金額が高いため「これ以上の硬貨がない」という意味になってしまいます。
金額の大きさだけではなく、お賽銭は願い事が叶う金銭の寄付ではなく、感謝の気持ちを表す手段であることを心に留めましょう。
また、借りたお金でお賽銭を納めるのも縁起が悪いとされています。
急な場合や友人から借りた場合は、その旨を神仏に伝えることがおすすめです。
最近では電子マネーでお賽銭を納められる神社やお寺も増えています。
QRコードを読み取り、希望額を納めることができます。
昔はお米などの実りを感謝し、貨幣が広まると硬貨でお賽銭を行ってきましたが、時代の変化に合わせて電子マネーも活用されるようになっています。
最後に、神社やお寺での正しい参拝方法についても確認してみましょう。
神社での参拝方法は、お賽銭を納めてから姿勢を整え、鈴があれば鳴らすなどの手順があります。
お寺での参拝では、お賽銭を納めた後にお賽銭箱の前で一礼し、鈴や鰐口があれば指定の回数を鳴らし、手を合わせて祈願をし、最後に軽く一礼します。
これらの参拝方法は一般的なものであり、各神社やお寺によって異なることもあります。
気になる場合は、その場で確認してから行動しましょう。
参拝が終わったら、参道を通り鳥居へ進んで行きましょう。
また、神社では鳥居の前で一礼し、お賽銭を納める前に鈴があれば鳴らすこともあります。
一般的な作法は、2回お辞儀をし、2度手をたたき、最後に1度お辞儀を行います。
お寺での参拝では、お賽銭を納めた後にお賽銭箱の前で一礼し、鈴や鰐口があれば指定の回数を鳴らし、手を合わせて祈願をし、最後に軽く一礼します。
これも一般的な作法であり、宗派やお寺によって異なることがありますので、その都度確認することが大切です。
なお、参拝前に鳥居の前で一礼をすることや、水で手や口を清めることなど、さまざまな作法が存在します。
それらを覚えて、清らかな気持ちで参拝を行うことが大切です。
また、神社の中には本殿以外に摂社や末社があります。
これらにお参りするかどうかは個人の意志によるもので、神職の意見も分かれています。
お賽銭をお供えする際には、その場での気持ちを大切にし、清らかな心で参拝することが重要です。
電子マネーを使用する際には、QRコードを読み取り、希望額を納めることができます。
時代の変化に合わせ、新しい方法でお賽銭を納めることもできるようになっています。
参拝やお賽銭を通じて、感謝の気持ちを大切にし、清らかな心をもって神社やお寺を訪れることが、良いご縁を築く一助となるでしょう。
お賽銭には100円硬貨がオススメ？硬貨の選び方を紹介！まとめ
100円をお賽銭に使うことは縁起が良いとされています。
お賽銭は神様や仏様に対する感謝の気持ちを示し、お供えする意味があります。
50円を使用しても同様に縁起が良いとされていますが、一方で10円と500円の硬貨は縁起が良くないとされています。
この記事では、神社やお寺でのお賽銭に100円硬貨を使うことが良いのか、他の硬貨での縁起の良し悪しについて紹介してきました。
年始に行われる初詣などで訪れることも多いでしょうし、神社やお寺は日本において身近な存在となっています。
ただ、お賽銭の歴史やどの硬貨を使うべきか、参拝方法などについて改めて考えると、戸惑うこともあるでしょう。
お供えするお賽銭には、ただ何気なく納めるのではなく、縁起が良い硬貨を選んで感謝の気持ちを神様や仏様に伝えることが大切です。
