手作りの梅ジュース、試したことありますか?
梅ジュースは体に良いだけでなく、手作りなら余計な添加物を気にせず、自分好みの味に調整できます。
そんな理由から、梅ジュースづくりに挑戦する人も多いのではないでしょうか。
私の実家でも、近くの農協で手ごろな梅を購入し、大量の梅ジュースを仕込んでいました。
ただし、梅ジュース作りには注意が必要で、作り方や保存方法に気を付けないと食中毒のリスクが潜んでいます。
手作りの梅ジュースが思わぬ食中毒の原因になることは避けたいですよね。
梅ジュースによる食中毒のリスクや、その予防方法について、しっかりと理解していただければと思います。
梅ジュースで食中毒になる危険性
前述した通り、手軽に作れて健康に良い梅ジュース。
一度に多く作ることが一般的ですが、殺菌が不十分だったり、不適切な保存方法だとカビが繁殖する可能性があります。
そのまま飲んでしまうと、食中毒の原因となります。
カビの繁殖原因
カビが発生する主な要因は、「栄養」「水分」「温度」「酸素」の4つです。
梅ジュースには潜在的にこれらの要因が含まれており、特にデンプンや糖分といった栄養を好むカビにとっては理想的な環境です。
梅ジュースには通常、多くの砂糖が含まれており、その糖分はカビの栄養源となります。
梅の旬は初夏から夏にかけてであり、この時期は湿度が高まり、気温も上昇するため、カビが繁殖しやすい状況が整います。
梅ジュースの成分と作る時期の2つの要因が結びついて、この飲み物がカビの発生しやすいものとなります。
カビの存在を見極めるポイント
梅や梅ジュースの周りに青や緑の色が見られる場合、それはカビです。
青カビはチーズにも利用されることがあり、食べられると思われるかもしれませんが、青カビが存在すると他に目に見えないカビも生えている可能性があります。
緑カビはカビ毒を生じ、摂取すると腹痛や下痢などの食中毒症状を引き起こします。
色が識別しにくい場合でも、浮いているものがふわふわとした綿状であれば、それはカビです。
その場合、梅ジュースは廃棄することをお勧めします。
白いカビのようなものが見られる場合、それは必ずしもカビとは限りません。
梅をシロップに漬けている際には酵母菌が生じ、その働きにより泡が発生します。
見た目が泡状でない場合は、まず匂いを確認してみましょう。
酵母菌の場合はフルーティーな香りがしますが、カビが存在する場合はカビ特有の匂いや腐敗臭が感じられます。
そのような場合は、即座に廃棄することをお勧めします。
飲用すると食中毒になる可能性があるためです。
カビが生えているときは、「これを飲んだらダメな気がする」と感じることがあります。
カビがシロップについていなくても、瓶などに付着している場合でも、カビ毒は浮遊している可能性があるため、摂取せずに廃棄しましょう。
梅ジュースの安全な保存方法
手作りの梅ジュースを楽しむ上で、食中毒を防ぐためには正しい保存方法が欠かせません。
適切に保存すれば、梅ジュースは最大1年間保存することができます。
では、安全な保存方法はどのようなものでしょうか?
以下の2つのポイントを守れば、食中毒のリスクをほぼ排除できます。
梅ジュースは直射日光が当たるとカビが繁殖しやすくなります。
したがって、できた梅ジュースは涼しく、かつ直射日光の当たらない場所で保存するようにしましょう。
冷蔵庫が最適ですが、場所がない場合は、家の中で日陰かつ室温が上がらない場所で保存します。
保存環境が整っていても、保存容器に雑菌が付着していたら無駄です。
したがって、梅ジュースを保存する容器は完全に密閉可能で、きちんと殺菌処理したものを使用しましょう。
瓶の殺菌処理には、煮沸消毒が手軽で一般的です。
洗浄した容器を水で満たし、5分間沸騰させるだけです。
その後、水気を十分に切ってから完全に乾燥させ、梅ジュースを注ぎます。
水気が残ったまま梅ジュースを入れると、水分が温床となりカビの原因となります。
煮沸消毒した密閉容器に完全に乾燥させた梅ジュースを保存しましょう。
以下のような密閉性の高い瓶が適しています。
梅ジュースにおける食中毒のNG行為
梅ジュースによる食中毒のリスクは、主にカビの発生に起因しています。
水分はカビの繁殖を促す要因です。
したがって、梅を漬ける前には水分を十分に取り除くことが重要です。
保存容器を完全に乾燥させるだけでなく、漬ける梅も完全に水分がなくなるまで乾燥させるか、清潔な布巾で水気を丁寧に拭き取るよう心掛けましょう。
梅シロップに漬けた梅は、毎日しっかりと混ぜるように心掛けましょう。
梅が均等に発酵せず、浸かっていない梅にカビが生えるリスクがあります。
カビが生えれば食中毒の原因となりますので、毎日の混ぜ忘れは避けるべきです。
道具を使って混ぜる場合は、煮沸消毒などの殺菌処理を行ってから使用することが必要です。
また、道具を使わずに容器をひっくり返す、振るなどでも十分に混ぜることが可能です。
梅を梅ジュースに浸け続けるのは避けるべきです。
梅が発酵し終わると、次に梅シロップが発酵の兆候を見せます。
梅シロップの発酵によりアルコール度数が上昇し、炭酸が発生することがあります。
更なる発酵では非酵母の雑菌が繁殖し、食中毒の原因となり得ます。
したがって、梅シロップが発酵する前、梅自体が発酵した時点で梅を取り出すことが必要です。
梅の実がしわくちゃになってきたら、容器から取り出しましょう。
梅ジュースから梅を取り出す際には、使用する道具も十分に殺菌処理を行う必要がありますので、注意が必要です。
梅ジュースで食中毒?手作り梅ジュースのの危険性と安全な楽しみ方!まとめ
手作りの梅ジュースは楽しく作れますが、食中毒の危険性も潜んでいます。
ただし、梅ジュースを正しく保存すれば、長期間楽しむことができます。
食中毒を防ぎながら、季節の味わいを楽しむために梅ジュースづくりに挑戦してみましょう。