加熱後、はまぐりが開かない場合、食べられるのでしょうか?
閉じた状態はすべて死んでいるのでしょうか?
冷凍はまぐりが開かない原因は何でしょうか?
これらの疑問について解消していきます。
はまぐりの口が開かない理由や死んでいる時の状態、さらには冷凍したはまぐりの口をうまく開けるコツまで、わかりやすくお伝えします。
はまぐりは開かない場合でも食べられる?
はまぐりって美味しいですよねー。
「焼きはまぐり」や「酒蒸し」、そして「煮はまぐり」も捨てがたい魅力があります。
また、汁物のレシピでは「はまぐりのお吸い物」は縁起物としても好まれますね。
はまぐりの旬の時期には、我が家ではアサリの代わりに、はまぐりを使用したボンゴレビアンコが人気です。
ところで、このはまぐり、たまに加熱しても口が開かないことがあります。
一般的に、加熱しても開かないはまぐりは死んでいると言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか。
口が開かなくても食べられるのか、気になるところです。
開かない状態のはまぐりでも食べることは可能?
二枚貝の代表であるはまぐりやアサリ、しじみは、通常加熱すると口が開くことで知られています。
しかし、加熱調理をしても時折、貝の口が開かない場合があります。
はまぐりが開かない理由はいくつか考えられますが、
結論的には、生のはまぐりの場合、加熱しても開かない時は食べずに捨てましょう。
こじ開けて食べるという方法もあるかもしれませんが、おすすめはできません。
その理由についてお伝えしますね。
死んでいるはまぐりは加熱しても口が開かない?
死んでいるはまぐりは、加熱しても口が開かないと言われていますが、その理由は何でしょう?
貝はさまざまな形状のものがありますが、はまぐりは「二枚貝(にまいがい)」に属します。
二枚貝は2枚の貝がつながっている構造を持っており、アサリやしじみも同様です。
二枚貝を加熱すると開くのは、貝殻をつなぎ合わせている『蝶番(ちょうつがい)』と『貝柱』の相互作用によるものです。
生きているはまぐりは、蝶番の靭帯(じんたい)が常に貝殻を開こうと引っ張る働きをしています。
一方、貝柱は蝶番の開こうとするのを防ぐため、内側から殻を閉じようと引き寄せる働きをしています。
蝶番と貝柱のバランスによって、はまぐりは栄養を採ったり呼吸をしたりしています。
生きているはまぐりを加熱すると、貝柱のたんぱく質が熱によって縮みます。
そのため、貝と貝の接着力が弱まり、はまぐりの口が開くのです。
しかし、加熱前に死んでしまったはまぐりは、貝柱がゆるんでしまっているため口が開かなくなります。
死んでいるはまぐりの貝柱は加熱してもタンパク質が大きく縮まないため、口が開かないのです。
開かないはまぐりは、すべて死んでいる?
先に述べた通り、基本的な原則は、
「生きている貝は加熱すると開く」
「死んだ貝は加熱しても開かない」
というものですが、中には「はまぐりが生きているにもかかわらず、加熱しても口が開かない場合」があります。
これは主に『蝶番と貝柱の不具合』によるものです。
蝶番と貝柱の開閉機能が損なわれ、口が開かなくなっている場合は、生きているはまぐりでも開かないことがあります。
先に述べたように、二枚貝のはまぐりは、蝶番で貝と貝がつながっています。
外部からの衝撃などにより、蝶番が外れたり、蝶番自体が破損していると、はまぐりは口を開けなくなります。
同様に、貝柱にも問題が発生する可能性があります。
貝柱は蝶番の開こうとする力を制御しますが、貝柱自体の筋力バランスが悪くても開かないことがあります。
なぜ開かないはまぐりを食べてはいけないのか
開かないはまぐりが全て死んでいるわけではないにせよ、こじ開けて食べることはおすすめできません。
前述のように、
「生きているけれども開閉機能のバランスが悪い」
という可能性もあります。
しかし、はまぐりが生きているか死んでいるかを見分ける方法は存在しません。
たとえ死んでいたとしても、いつ死んだかは分かりません。
無理にこじ開けて、死んでいるか生きているかを見極めるのは視覚や嗅覚に頼るしかありません。
そのため、安全とは言えません。
死んだはまぐりは中で腐敗が進んでいます。
ですので、開かない場合は無理に食べるのではなく、迷わず捨てましょう。
経験から言うと、死んだ貝は非常に強烈な匂いがします。
一度、はまぐりを使ったシチューで大失敗したことがあります。
はまぐりの身が加熱しすぎて固くならないように、一度取り出すことが重要ですが、火入れしても開かないはまぐりが2つ、3つ。
高価な国産のはまぐりだったため、取り出して、鍋の上でナイフでこじ開けました。
なぜ鍋の上かというと、はまぐりの出汁を無駄にしたくなかったからです。
そして、食用ナイフで口を開けた途端、中からドロっとした茶色の液体とともに強烈な腐臭が・・・
そうです、腐っていました。
もちろんシチューは台無しになり、今でもその時の臭いは忘れられません。^^;
貝は死ぬと非常に速く腐敗が進みます。
腐敗菌が増殖すると毒素が発生し、非常に強烈な臭いがします。
そのため、死んだ貝の殻を無理に開けるとその臭いが充満し、一緒に調理している他の貝や具材まで食べることが難しくなります。
私の場合はエキスまでこぼしてしまいました。。。
この経験から得た教訓は、生きているかどうかを確かめる方法がないのに、無理にこじ開けて食べるのは危険だということです。
「でも、加熱調理すれば貝は死ぬんでしょう?死んだ貝を食べるのも同じじゃないの?」と思うかもしれませんが、この臭いと毒素は加熱しても取り除けません。
それに、あの臭いを経験したら食欲が戻ることはないでしょう。
開かない貝は、無理に食べずに捨てることをお勧めします。
冷凍ハマグリが開かない時の対処法は?
最近ではスーパーなどでも冷凍ハマグリが手に入るようになりました。
貝を冷凍することで鮮度が維持されるだけでなく、冷凍によってはまぐりの組織が崩れ、旨味成分がより引き立つと言われています。
日持ちがし、美味しさが増すなら積極的に取り入れたいですね。
冷凍ハマグリは通常、あらかじめ砂抜きを施してから、殻のまま冷凍されています。
そのため、砂抜きの手間も省けるのが利点です。
ただし、この冷凍ハマグリ、解凍の際には口が開かないことがあります。
冷凍ハマグリの口を開かせるコツをご紹介しますね。
冷凍はまぐりを上手に調理するポイントは?
友人が「冷凍はまぐりって全部開かないんだよね」と言ったので、その理由を聞いてみたところ、原因が分かりました。
友人は冷凍されたはまぐりを解凍してから調理していたんです。
冷凍はまぐりを使うときは、解凍せずにそのまま利用するのがポイントです。
使用直前に、流水で貝を丁寧に洗ったら、そのまま火にかけます。
例えば酒蒸しの場合、酒と水が沸騰したら強火にして、はまぐりを入れて蓋をして一気に加熱します。
適切なタイミングで蓋を開ければ、口が開いているものから順に取り出し、火が通り過ぎずにプリプリとした仕上がりになります。
味噌汁を作る場合は、水が沸騰した段階ではまぐりを入れます。
解凍せずに調理すれば、冷凍はまぐりはしっかりと口を開けますが、中には開かないものもあるかもしれません。
冷凍はまぐりも、生のはまぐりと同様に、加熱調理しても開かない場合は、迷わず捨てることをお勧めします。
はまぐり開かないときは食べれない?生・加熱・冷凍時の対処法!まとめ
ハマグリを加熱しても口が開かない場合、それは食べられない可能性が高いです。
この疑問に対する私の経験上の回答は、「食べられない」となります。
ハマグリの口が加熱しても開かない原因は、次の2つの理由が考えられます。
- 死んでいる
- 蝶番と貝柱の開閉システムに不具合がある
「開閉システムに不具合があるなら、生きているなら問題ないんじゃないか」と考えるかもしれませんが、無理にこじ開けて生死を見極めるのは視覚や嗅覚に頼るしかないため、安全とは言えません。
冷凍ハマグリを調理する際は、流水で洗った後、解凍せずに直接火にかけると口がうまく開くでしょう。
年間を通して入手可能なはまぐりですが、旬は2月から3月です。
この季節になら特に美味しいはまぐりを楽しむことができますね。